文章は児童ポルノではない
仮に児ポ法関連のサイト摘発が行われるとして、普通に考えて実写系サイトからだと思われる。いわゆる無修正画像や動画を扱っているサイトは、日本人が主に見るサイトであれば、例えサーバが海外にあろうとその対象となる筈だ。
一般のわいせつ物頒布等の罪に比べて、検察の本気度が段違いだと考えられるため、運用には十分な配慮が必要だろうし、女性器がモザイクされているからといって安心はできない。
前回の「児ポ法とフィクション」でも書いたが、今後どこまでが児童ポルノとして扱われるか、それは脅威を伴った関心の対象だといえる。
例えば、体験告白系サイトで、「私は、15歳の時にレイプされました」という内容の書き込みがあった場合、これは児童ポルノに当たるのか? 強姦罪の時効は7年。その出来事が10年前のことだとしたらセーフで、5年前のことだとアウトなのか?
レイプではなく、本人の合意に基づいて15歳の時にセックスしたという内容の告白だったら、児童ポルノに該当するのか? 12歳(日本の性的合意年齢は13歳)の時のことだったら、どうなるのか?
更にこれが、「事実に基づいたフィクション」として発表された出版物(紙媒体であっても、電子出版であっても)である場合、児童ポルノではないのか?
ここまで書いて、Yahoo!知恵袋で、「児童ポルノ法は、小説などの文章も規制対象になっていますか?」という質問と回答を見つけた。現状では、文章は児ポ法の対象外らしい。
確かに、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」を読むと、第二条3項で、「児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」とある。体験告白・文章を含め、文章は今のところは対象外のようだ。
しかし、今後の改正でどうなるかはわからないし、過激なものは「わいせつ物頒布等の罪」に問われる可能性はある。ただ、実写系コンテンツに比べれば、ずっと安全であることは間違いないだろう。